花おりおり
3月前半に対馬で観察できた植物のご紹介。
ナノハナ(菜の花)
見ても食べても春の訪れを感じられる。
春の風物詩の一つ。
先月は一生懸命、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を見ましたが、その中に出てきていた夏目漱石はこのナノハナが好きだったそう。「草枕(くさまくら)」や「虞美人草(ぐびじんそう)」という作品の中の大切な場面に登場したり、俳句も十数残している。
ビタミンカラーを見てると元気が出てきます。
芳香は春の花で一番。
沈香(ジンコウ)と丁子(チョウジ)の香りを併せ持つと「沈丁花」と名付けられた。
原産国の中国から日本への渡来は室町時代。クチナシとキンモクセイと並んで三代香木の一つ。
写真のジンチョウゲはもう終わりかけになっていましたが、周りに何本も植えられていて、まだまだ甘い香りが漂っていました。とってもいい香り。こんもり丸い形は剪定されているからではなく、自然と丸い樹形を保つのだそう。なんて利口。
ツルニチソウ
株元から多数の茎を伸ばしてツル状に成長する多年草。目が覚めるような美しい紫色の花びら。花は一斉に咲くわけではなく、長い期間から次から次へと開花します。耐久性が強く、寒さや乾燥にも耐える。
対馬でもよく見かける植物の一つです。
オオシマザクラ(大島桜)
オオシマザクラ(大島桜)はバラ科サクラ属でサクラの一種です。
別名として「タキギザクラ」と呼ばれます。オオシマザクラは成長が早く、再生力が強いとされ燃料として利用されてきたことから「薪」(たきぎ)という名前が付けられています。
さらに、桜餅の葉にも使うことがあるため、モチザクラとも呼ばれるそう。
まだまだ満開ではありませんでしたが、河津桜に続き、早咲きの桜が対馬でも咲き始めています。
ゲンカイツツジ(玄界つつじ)
ツツジ科
玄界灘に面した地域に多いので、この名前が付けられた。
冬には吹き付ける厳しい風が吹く対馬。落葉樹の葉は落ちてしまい、寂しい風景に最初に彩りを添えてくれるのがゲンカイツツジ。島民にとってとても大切な花です。
対馬市の花として指定されていますが、環境省は生息条件によっては絶滅に移行する可能性があるとして、ゲンカイツツジを準絶滅危惧種に指定しています。
「玄海つつじの森つくろう会」という有志のボランティアグループの皆さんによって、植樹活動が平成15年から行われ、現在も粘り強い取り組みが行われています。
初めて見た時は「え、これがツツジなの⁉︎」といういうくらい、珍しく感じました。
フリルがとても可愛らしいツツジ。樹形も珍しく感じました。
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最後まで読んでくださって、ありがとうございました。