『サツマイモに4ヶ月以上の細かい手間をけてようやく完成する発酵食。出来上がるまでに千の手間がかかるから「せん団子」と呼ばれたという逸話もあるような食べ物です。「よくこんなもの作ったな!」と思いましたね』
発酵デザイナーの小倉ヒラクさんがインタビューの中で、対馬伝統の発酵食品「せんだんご」について上記のように触れられていました。
「せんだんご」とは何?
小倉ヒラクさんがご自身のHPの中で説明してくださっていますので、
こちらをご確認ください。↓
【47 Hakko Nagasaki】長崎のせん団子 Sendango 〜千の手間をかけて芋を越冬させる、奇想の島発酵〜 | 発酵デザイナー 小倉ヒラクのサイト
実はこちらのせんだんご。
短い麺がスープに入っているのは「ロクベエ」と地元の方に親しまれていますが、
ずっとお世話になっていた蕎麦屋でも人気の商品でした。
蕎麦屋では「短い麺タイプ」のものと蕎麦のように「長い麺タイプ」のものと置かれていて、どちらも品切れ状態でした。
でも、この「せん」は冷凍でいつもお店に届いていたので、作り方がよくわからない。。。働いていた頃に対馬生まれ対馬育ちの同僚の方から地元のケーブルテレビで見たレシピ話などを思い出しながら、今回せんだんごで作る「せんそば」に初挑戦!
こちらが対馬の奇跡の発酵食品。「せんだんご」乾燥しているのでほとんど香りはしません。
最近はわりと島内のマーケットで購入可能です。
こちらをまずは少しずつ熱湯でゆっくり戻していきます。
(塊が硬くて、最後まで残ってしまうので、あらかじめ麺棒などである程度細かくしておいても良いかもしれません)
捏ねる作業を繰り返し、耳たぶくらいの硬さになるようまとめます。
お湯を注ぎ捏ねていると“せん“独特の香りがしてきます♪
!ここからが今回のポイントです。
おそらく「ロクベエ」の場合、捏ねたものを専用の板(「ろくべえせぎ」と呼ばれている)で押し出して熱湯で茹でます。そうすると「ロクベエ」の麺ができます。
しかし、今回は「ろくべえせぎ」がありませんし、目指すは麺タイプの「せんそば」。元同僚の方はケーブルテレビの中で「この茹でる前の塊をそのまま一旦茹でていた」と言っておられました。それで、初挑戦ですが、やってみます。
茹でたものを取り出して、ある程度冷めたらこね直していきます。
間違いなく粘りが出てきています。
確認ですが、今回つなぎは使用しておりません。
発酵したサツマイモの粉100%です。
こちらをいつもの蕎麦の同様、ビニール袋の中で伸ばしていきます。
ある程度伸びたら、打ち粉(今回は蕎麦粉を使用)を振りかけ、
たたんで、切っていきます。
こちらを再度お湯で麺が浮かんでくるまで茹で、冷水に取り、洗います。
こちらの麺に再度お湯をかけて麺を温め、スープの中に麺を入れる。ネギを散らすと出来上がり。
今回は少し麺が切れてしまいましたが、お味と食感は間違いなく「せんそば」でした。
もっちり、プルプル。あえて表現するなら「タピオカ」に近い食感でしょうか。
色も近いですね。味はほのかに甘く感じます。サツマイモのでん粉の甘味でしょうか。
「わー、嬉しい!!久しぶりの“せん“だねー!!」s君も喜んでくれていました。
先人の知恵と勇気の詰まった「せんだんご」という発酵食品。
伝統の味を大切にしていきたいですね。
——————————————————————————————————————
最後まで読んでくださってありがとうございました。